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アットストリームパートナーズの取組紹介Case Studies

【取組事例008】「経営」を意識したIT中期計画の策定

取組の背景

  • IT中期計画(以下「IT中計」)策定を経営層より指示されたが、全社の中期経営計画(以下「全社中計」)の中ではITに関する記載は一切なく、ITに関する中期でのゴールをイチから検討する必要があった。
  • この先3年間の既存システム領域における改修ロードマップや現状のシステム課題に関する改善内容を当初案として盛り込んだものの、経営側からの要求を満たしてはいないということで再度作成ということになった。
  • またITのロードマップについては、現場の理解を得ることも重要だと考えられていたので、それらが得られていないことも再度作成する一因となっていた。
  • 経営層からの指摘事項を確認したところ、リクエストは純粋なITにおける改修・改善の説明だけではなく、以下3つの要素が必要だということだった。

        ー全社中計や戦略とどのようにリンクをしているか
        ーいつの時点でどのような内容が実現されるのか
        ーそれらを実現するために必要なIT部門の体制とはどのようなものか
  • 経営層からのリクエストへの対応と現場の理解を得るために弊社へ支援依頼があった。

【経営戦略実現に資する攻めのITの検討アプローチ】

【既存システムの維持・刷新に関する守りのITの検討アプローチ】

【ITを支える体制構築検討のアプローチ】

成果・学び

  • IT中計の内容を以下の3点に分けて検討を進めた。

  • 1.経営戦略実現に資するIT中計 【攻めのIT】全社中計で掲げられている「新たな経営目標」をサポートするために、何を実現しどのような仕組みが必要か、またそれらをいつ実現する必要があるのか。経営層・現場双方の理解を得るため、それぞれの観点で「いつ」「何が実現できるのか」を検討した。

    2.既存システムの維持・刷新に関するIT中計 【守りのIT】既にあることが当然となっている「既存インフラ」の更新(新たな経営計画ではなく、既存の業務を維持するためのもの)はどのような方針でいつ行うかを検討した。

    3.IT中計達成に向けた部門の役割・人材・体制 【IT戦略を支える体制】特に【攻めのIT】を実現するために必要なIT部門の役割、人材、体制はどのような変化が必要か。そのために中計期間で必要な施策は何かを検討した。

  • 3つの検討を踏まえて新たなIT中計を説明することで理解を深めることができ、経営層から新たなIT中計の承認を得ることができた。

  • IT部門は特に【守りのIT】を中心に投資計画を策定しがちであるが、【攻めのIT】についても経営層の課題意識を取り込み、いつまでに何が実現できるかを具体的に経営層に示すこと、併せて現場変革に関わる部分もいつまでに何ができるかを明確にし、「現場の理解を得ること」がIT中計を推進をする上で非常に重要なのである。

  • この点は「トップダウン」と「ボトムアップ」の真の融合と言い換えてもよい。本件取り組みは製造業売上高2,000億円超の大手企業での例であるが、筆者の経験では、売上100億円前後~500億円前後の中堅企業においてもよく見られる現象で、IT戦略アドバイザリー機能の価値を発揮できる領域と感じている。

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